Create  ソース  村上春樹と作品世界Wiki  Index  Search  Changes  RSS  Login

風景が変わり、ルールが変わった

風景が変わり、ルールが変わった

 「風景が変わり、ルールが変わった」は、村上春樹の長編小説『1Q84』の、BOOK1第9章章題。

 単行本の目次や章見出しでは、「第9章 (青豆)風景が変わり、ルールが変わった」に近似した体裁で記されている。(単行本では、青豆の2文字がデザイン化された“Q”の文字で括られている)

構成

 第9章「風景が変わり、ルールが変わった」は、単行本で17頁分弱。

 1行空行を置いた分割で、3セクションに分けられている、とみなすのがよさそうだ。
 と、いうのは、「青豆が図書館で閲覧した新聞の大見出し」と、「青豆が記憶から呼び出した、タクシー運転手の言葉」が記された前後にも空き行が置かれているからだ。これらの空き行は、内容的効果を表すものではなく、強調効果や、読者の注目を誘導する効果が意図されている、と思われる。セクション分割とは別の用法、と見た方がいいだろう。

 第9章を3セクションから構成されると見なすと、第1セクションは、単行本で13頁分ほど。ここでは主に、区立図書館で、過去の新聞を閲覧する青豆が、本栖湖近辺での銃撃戦についての報道記事を確認する様子が描かれる。

 第2セクションは、2頁分ほど。やはり図書館にいる青豆が、ヤナーチェック?について調べる。図書館を出て“夕暮れの近くなた街をあてもなく歩いた”彼女は、「IQ84」と言う言葉を私秘的に用いる様子が記される。「IQ84」は、この箇所が作中の初出。

 第3セクションは、2頁分程度。青豆は、図書館を出た後、自由が丘駅近くのレコード店に寄った青豆は、「シンフォニエッタ」も収められたレコードを購入。自宅に戻ってから聴いてみる。

粗筋

 第9章の物語は、“青豆は自宅からいちばん近いところにある区立図書館に行った。”と、語りだされる。過去の新聞を閲覧する青豆は、第7章でタマルから聞いた本栖湖近辺での銃撃戦を、作中の3年前に起きたあけぼの壊滅事件だと、報道記事で確認。歴史の細部が自分の記憶と異なることに気付き、“私の頭がおかしくなっているというだけかもしれない”とも考える。近日の記憶を想い起こす青豆は、首都高で渋滞したタクシー運転手の奇妙な言葉を思い出す。そして、車中で聴いた、ヤナーチェックの『シンフォニエッタ』のことも。青豆は図書館にある音楽関係の本でヤナーチェックのページを開いていみる。

 青豆は、ヤナーチェックと『シンフォニエッタ』についても、ノートにメモをとるが、楽曲と彼女に、どんな接点があるのかはわからない。“図書館を出ると彼女は夕暮れの近くなた街をあてもなく歩いた。ときどき独り言を言い、ときどき首を振った。”。“1Q84年−−私はこの世界をそのように呼ぶことにしよう、青豆はそう決めた。QはquestionのQだ。疑問を背負ったもの。”。

 彼女は歩きながら一人で肯いた。
 好もうが好むまいが、私は今この「1Q84年」に身を置いている。私の知っていた1984年はもうどこにも存在しない。今は1Q84年だ。空気が変わり、風景が変わった。私はその疑問符つきの世界のあり方に、できるだけ迅速に適応しなくてはならない。新しい森に放たれた動物と同じだ。自分の身を護り、生き延びていくためには、その場所のルールを一刻も早く理解し、それに合わせなくてはならない。
(『1Q84』BOOK1第9章より)

 青豆は、図書館を出た後、自由が丘駅近くのレコード店に寄った青豆は、「シンフォニエッタ」も収められたレコードを購入。自宅に戻ってから聴いてみる。しかし、首都高に乗ったタクシーの内で「シンフォニエッタ」を聴いた時のような“身体のねじれ”の感覚は訪れない。

 物語内の今は、4月某日としか特定できない。明らかに、第7章で描かれたよりも後の時制だが、どれくらい後かは不明。ただ、第7章末尾の描写と、第9章の表現からすると、直後かもしれない。「第7章末尾で、青豆が柳屋敷を去った後、さほどたたぬころ」と推測しておくのが無難だろう。

事項や登場人物

風景が変わり、ルールが変わった
 章題に近似の表現は、単行本P.202に見られる。青豆が内心で、“私はその疑問符付きの世界のあり方に、できるだけ迅速に適応しなくてはならない”と考える前後だ。
「山梨山中で過激派と銃撃戦 警察官三人死亡」
 「山梨山中で過激派と銃撃戦 警察官三人死亡」は、青豆が区立図書館で閲覧した過去の新聞に見出した見出し。単行本では、「 」は無いが、太字で記され、行頭が他の行頭ラインから一文字下げた配置で置かれている。さらに、前後に空行が1行ずつ置かれている。この見出しが、第7章でタマルが語った「本栖湖近辺での銃撃戦」を示唆していることは「警察官三人死亡」からも明らかだろう。
あけぼの
 作中世界の1981年に、警察及び自衛隊と銃撃戦を展開し、壊滅したとされている、政治的な武装過激派集団。作中世界では、このあけぼの壊滅事件をきっかけに、1982年から警察官の通常装備にセミ・オート拳銃(ベレッタのモデル92)が採用された。
 青豆は、はじめ、街頭の警察官がセミ・オートを携行していることに疑念を抱く(BOOK1第3章)。赤坂のホテルのバーで、バーテンから記憶に無い2年前の警察制度改革について聞き(同第5章)、さらに信頼するタマルの口からも改革の背景や経緯を聞いた(同第7章)。そして、第9章では、公立図書館で過去の新聞を閲覧、事件の概要を掴むと、自分が1984年の日本から1Q84年の日本に迷い込んだと察す。
あけぼの壊滅事件
 解説
そういうことをしますと、そのあとの日常の風景がいつもと少し違って見えてくるかもしれません。でも見かけにだまされないように。現実というのは常にひとつきりです。
 青豆が区立図書館で“できる限り正確に頭の中に再現”した、タクシー運転手のセリフ(BOOK1第1章)。青豆がタクシーを降車する直前に言われた言葉。単行本第9章では、太字で記され、行頭が他の行頭ラインから一文字下げた配置で置かれている。さらに、前後に空行が1行ずつ置かれている。
 太字表記され、空行が置かれた後には、次のパラグラフが続いている。

 変わったことを言う運転手だと、青豆はそのとき思った。でも彼が何を言いたいのかよくわからなかったし、とくに深くは気にしなかった。彼女は先を急いでいたし、ややこしいことをあれこれ考えている余裕もなかった。しかし今こうして思い返してみると、その発言はいかにも唐突であり奇妙だった。忠告のようでもあり、暗示的なメッセージのようにもとれる。運転手はいったい何を私に伝えたかったのだろう?
(『1Q84』BOOK1第9章より)

事項や人名
 解説

関連する事項

関連事項
 解説

メモ

話題まとめ

チャットログ

書評

  • 見つけたら入れてね

blog記事

ソーシャルブックマークscuttle.cre.jp - 1Q84新着

{{rss_show(http://scuttle.cre.jp/rss/all/1q84)}}
NoMethodError (undefined method `items' for nil:NilClass): inline plugin

資料リンク

TrackBack?

{{trackback}}
SecurityError (Insecure: can't intern tainted string): inline plugin

___d_ ゜ラ ュ ゜゜ ゜゜゜゜゜ ゜゜゜

___d_ ゜ラ ュ ゜゜ ゜゜゜゜゜ ゜゜゜

___d_ ゜ラ ュ ゜゜ ゜゜゜゜゜ ゜゜゜

___d_ ゜ラ ュ ゜゜ ゜゜゜゜゜ ゜゜゜

Last modified:2014/03/20 20:48:47
Keyword(s):
References:[1Q84 BOOK1] [青豆] [1Q84]
This page is frozen.