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私的改変

私的改変

意義

 個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用することを目的として、著作物を改変することを言う。自宅で替え歌を歌ったり、購入した絵画に落書きをするなどという行為が当てはまる。

その違法性

 このような行為が、同一性保持権(著作権法20条)との関係で、著作者の権利侵害として民事的責任を負うかが問題となりうる。

 私的利用の一種であり、私的複製(著作権法30条)の規定が類推できるようにも思われるが、著作権法50条によって、同一性保持権について30条から49条までを適用しないと定められているため、私的改変についても同一性保持権は及ぶと考えられている。  しかし改変は一切許されないと考えると、単なる替え歌についても権利侵害があるという結論となり、妥当性を欠くことになる。社会通念上妥当な範囲の私的な改変については、著作者の意に反することのない行為(著作権法20条柱書)として、同一性保持権を侵害することはないと考えるべきであろう。

 なお、この「著作者の意」とは、その利用の態様などに応じて平均的な著作者が有すると思われる意向をいう。絵本を子供に読み聞かせる際にアドリブを利かせるのは意に反するとは言えないであろうし、苦心の作である絵画に落書きをするような行為は、私的に行うとしても意に反すると思われる。

刑事罰

 私的改変が、同一性保持権を侵害する場合は、著作者人格権の侵害に当たるから、119条2項1号の罪に該当することになる。

判例など

 私的改変について参考になりうるのは、『コナミ「ときめきメモリアル」メモリーカード裁判』(最小判平成13年2月13日)である。これは、主人公の能力値をカスタマイズできるメモリーカードを売り出した会社が訴えられた事件である。

 同一性侵害の有無について最高裁は、「本件ゲームソフトにおけるパラメータは、それによって主人公の人物像を表現するものであり、その変化に応じてストーリーが展開されるものであるところ、本件メモリーカードの使用によって、本件ゲームソフトにおいて設定されたパラメータによって表現される主人公の人物像が改変されるとともに、その結果,本件ゲームソフトのストーリーが本来予定された範囲を超えて展開され、ストーリーの改変をもたらすことになる」として,同一性保持権の侵害を認めた。

 しかしこのことは、直ちに私的改変の違法性を問うものとは言えない。最高裁は個々のプレイヤーの行為について判断したものではなく、そのようなメモリーカードを流通においたことが、他人の使用による同一性保持権の侵害を惹起したものと評価したのであり、著作権法違反を問わず、単なる不法行為による損害賠償を認めている。判決の射程には注意すべきであろう。

参考文献

  • 知的財産法講義2 渋谷達紀著 有斐閣 198-199頁
  • 泉克幸「メモリーカードの使用によるゲームソフトのストーリーの変更と同一性保持権」ジュリスト1224号288頁

類似事例:テクモDOD裁判(東地平成14年8月30日)

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Last modified:2007/06/28 14:50:46
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